離婚で慰謝料請求されたがお金がない!払わなくても大丈夫?
最近ではアメリカで人気俳優同士の離婚が話題となりましたが、離婚は結婚よりもはるかにエネルギーを必要とします。
離婚によって失うものは多いですが、最も大きな痛手といえば慰謝料です。自分の浮気が原因で離婚に至った場合、相応の金額を慰謝料として支払わなければなりません。
浮気をしておいて虫のいい話ですが、できるだけ慰謝料を払いたくない、できれば減額したいと考える人は大勢います。果たして慰謝料を支払わない、あるいは減額することはできるのでしょうか。
離婚の原因や経緯は様々ですので他人のケースが当てはまるとは限りませんが、一般的にどうなのかということを検証してみました。
離婚慰謝料は高額!?浮気による離婚の慰謝料の相場は?
まずは離婚慰謝料について説明します。離婚の理由はそれぞれですが、慰謝料を支払う主な原因としては
- 浮気をした
- 暴力やモラルハラスメントがある
- 生活費を入れないなど
などが挙げられます。性格不一致や価値観の不一致、セックスレスなどが原因で離婚するカップルもいますがこの場合高額な慰謝料にはなりません。
慰謝料の金額は?
ずばり具体的な慰謝料の金額はいくらなのか気になるところですが、金額は様々な事柄によって決定します。
- 離婚の原因(浮気・暴力など)
- 年齢や性別
- 結婚していた期間
- 経済力
- 子供がいるかどうか
いずれの場合も相手が受けた精神的、肉体的な苦痛によって変わってきます。
例えば、東京在住・35歳女性・結婚期間10年・専業主婦・子供なしの場合、100%相手に責任がある浮気による離婚の場合、相手の年収が500万円以下であれば慰謝料は約350万円となります。
慰謝料が発生する離婚となると、お互いに言い分があり一筋縄ではいかないのが現状です。もしあなたが慰謝料を支払う立場なら、どうやったら支払わずにすむか、あるいは減額する方法はあるのかと知恵を振り絞って考えると思います。
支払いたいけど、お金がなくて払えない、そんな状況の人もいるでしょう。果たして、慰謝料を支払わずにすむ方法などあるのでしょうか。
お金がない!慰謝料を払わないもしくは減額は可能?
浮気をして離婚となった場合、慰謝料を払うのが筋というものです。相手が受けた心の傷をお金で賠償するわけですが、払いたい気持ちがあってもお金がなければ払うことはできません。
できれば慰謝料は払いたくないという場合、なにか方法はあるのでしょうか。
協議離婚で済ませ書面に残さない
離婚する場合には話し合いで解決する協議離婚と離婚調停や離婚裁判などの2通りがあります。裁判を起こす場合には、お金や時間がかかりますので話し合いで示談にするケースが圧倒的です。
協議離婚の場合、慰謝料に関して口約束で済ませることもあります。口約束の場合、法的な強制力がありません。一般的に慰謝料は一括払いとすることが多いのですが、お金がないことを口実に分割払いにしてもらい、途中から支払いが滞るケースも後を絶ちません。
しかし、もちろん相手もバカではありませんから、支払金額や支払い方法、支払期間などを記した支払い証書を作成することも考えられます。
離婚調停の場合は裁判所が介入しますが、協議離婚の場合でも公的証書を作成することで慰謝料の支払いがない場合、給与の差し押さえなどの強制執行を行うことができます。
すでに婚姻生活が破たんしていたことを証明する
浮気で慰謝料を請求された場合、すでに婚姻生活が破たんしていたことを証明することで慰謝料の支払いを免れたり、減額できる可能性があります。
婚姻生活が破たんしているというのは
- 会話がない
- 食事が別
- 別居している
- 夫婦生活がない
など夫婦の関係が冷え切っていることを証明する必要があります。
現実にはなかなか証明するのが難しいこともあります。
証拠を残さない・認めない
もしも浮気が現在進行中の場合、今後慰謝料請求される可能性がありそうな場合、浮気の証拠を残さないこと、証拠を突きつけられても最低限のことしか認めないようにすることが大事です。
浮気による離婚慰謝料は証拠などによって大きく左右されます。
- ラブホテルに出入りしている写真
- メールや手紙
- 帰宅時間が遅いことや週末に家を空けることが多い
- 自白
法律では浮気の定義は肉体関係があることとされていますので、肉体関係があることが証明できなければ浮気とはみなされません。相手に好意を持っている、食事に行ったというだけでは慰謝料は請求できません。
相手が本気で慰謝料を請求するつもりの場合、探偵などを雇って証拠を集めている可能性もありますので十分注意が必要です。
自白
最もよくあるのが自白です。相手に浮気を疑われ問い詰められ、ついつい自白してしまうケースです。赤の他人にウソは付けても長年連れ添った配偶者にウソをつくのは難しいものです。
あれこれ自白してしまうと、離婚の際に不利になり慰謝料をつりあげられる可能性もあります。
浮気を認めるにしても、話さなくていいことまでべらべら話すのはやめましょう。
減額は難しい
一度決めた慰謝料を後から減額することは難しいのです。養育費の場合は、収入が減ったり、再婚で家族が増えたり、もらう相手の収入が増えたりしたケースでは減額が認められることもあります。
しかし、慰謝料に関しては再婚しようが、もらう相手の収入が増えようがそんなことは関係ありません。あくまでも自分が犯した罪に対する賠償なので、減額はそう簡単に認められません。
まれに収入が著しく減った場合や、無職となった場合には減額が認められることもあるようですが、なかなか難しいでしょう。
お金がなくて払えない場合には給料の差し押さえも!?
では、本当にお金がなくて慰謝料が払えない場合はどうすればいいのでしょうか。
給料の差し押さえ
しかし、全額取られては生活できませんので、差し押さえられる金額は最大給料の1/4までとなります。ですので、給料をもらっている限りは、慰謝料の支払いから逃げることはできません。
貯金の差し押さえ
本当はお金があるのに払わない場合には、預金口座が凍結されることもあります。この場合、執行文や証書は金融機関に送られ、銀行が口座を凍結します。
ただし、口座を凍結するためには金融機関名、支店名、口座番号が必要です。
口座情報がなければ口座を凍結することはできません。その他にも、不動産などの財産がある場合にはそちらを差し押さえられることもあります。
ただし、離婚の際には慰謝料の他に財産分与が必要となりますので資産がある方の離婚はもっと複雑になります。
無職で収入がない場合には、慰謝料は払えませんからどんな強制力も通用しません。中には借金してでも慰謝料を払って、すっきりしたいという人がいる一方で、ないから払えないと開き直る人もいるでしょう。
支払えないと請求額に遅延料が加算されることもありますが、それもお金がなければ払うことはできません。
謝るだけでは済まされない!浮気相手も慰謝料を請求される
浮気して慰謝料というのはよく聞く話ですが、浮気した相手にも慰謝料は請求されます。魔がさした、本気ではなかったといっても慰謝料を請求されたら支払う義務があります。
不倫相手の配偶者に慰謝料を請求されるケースが最近は巷でも増えていますが、お金がなくて支払いできない場合はどうしたらいいのでしょうか。
不倫相手の配偶者に支払う慰謝料と、離婚の際に支払う慰謝料とは少し話が違ってきます。不倫相手の配偶者に慰謝料を請求された場合は以下の点を注意することで慰謝料の減額が可能です。
- とにかく謝る
- お金がないことを伝える
- 既婚であることを知らなかったと主張する
- 二度と会わないと約束する
この4つのポイントに注意することで慰謝料の減額に応じてくれることもあります。
とにかく謝る
まずは不倫相手の怒りを鎮めることが大切です。不倫相手の配偶者に直接もしくは電話などで心から反省していることを伝えましょう。
誠心誠意を示すことで減額に応じてくれることもあります。開き直った態度などは言語道断です。
お金がないことを伝える
自分の現在の経済状態などを説明し、お金がないことを伝えましょう。ただお金がないというだけではなく、いくらなら払えるということも伝えるのが大事です。
相手も一円ももらえないぐらいなら少しでも支払ってもらう方がいいと考え、減額に応じてくれるかもしれません。
既婚者であることを知らなかったと主張する
これは信憑性にかけますし、不倫相手と口裏を合わせなくてはならないので信じてもらえるかわかりませんが、もし本当に知らなかったのなら慰謝料を支払う義務はありません。
ただし、同じ会社に勤めているなど、既婚かどうか確認できる状況であった場合には主張が通る可能性は低いかもしれません。
二度と会わない約束をする
復縁しないと約束することはとても大事です。不倫がバレたカップルの中にはほとぼりが冷めると再び連絡を取り合う人々もいます。もしも、不倫相手が離婚しない場合、これでは不倫相手の配偶者も常に不安を抱えて生活しなければなりません。
二度と会わない約束をするときには念書を書くといいと思います。きちんと謝罪し、二度と会わないと約束することで不倫相手の配偶者も大目に見てくれることもあります。
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人間は基本的に自分がかわいい生き物ですから、浮気して配偶者を傷つけたとしてもできるだけ慰謝料を払いたくないという人もいるでしょう。
協議離婚にして慰謝料の支払いの取り決めに関する証拠を残さない、婚姻生活が破たんしていることを証明する、浮気の証拠を残さない、認めないなどの方法がありますが、相手が弁護士に相談している場合通用するかどうかわかりません。
ただ、弁護士に依頼すると一般的に着手金の数十万プラス成功報酬として慰謝料の10%を支払わなければなりません。経済的に余裕がない場合、弁護士に依頼するかどうか迷うところです。
働いていて給料をもらっているのに慰謝料を払わないでいることは難しいですし、正直なんて懐の狭い人間なんだと思います。
慰謝料を支払わないでいると給与や預金の差し押さえなどに発展する恐れもあります。慰謝料というのは一般的に年収に応じて決まるものなので、一括は無理でも分割で払える範囲の金額になります。
支払う側の事情によって減額にすることは難しく、仕事をなくして無職になったなどという場合に限ります。しかし、働かなければ自分自身も生活していけないので、できるだけ早めに支払ってすっきりと人生をリセットするのが賢明ではないかと思います。
失踪して居場所も勤め先もわからないようにすることはできますが、数百万円のためにそんなみじめな人生いやですよね。